October 28, 2020

コロナ後のニューノーマルに備えたIT環境の構築

COVID-19が多くの企業の業務オペレーションに影響を及ぼしておりますが、このような状況下でもビジネスを継続・拡大させていくため、多くの経営者の方がその活路を見出そうと、IT技術の活用に目を向けておられます。本ブログでは、この様な不測の事態に際して、最新IT技術をどの様に活用していけるかついて考えていきます。

不測の事態から生じるリスク

自然災害、世界的な感染症、コンピューターウィルスやハッキング等、不測の事態はいつ、どの様に起こるか分かりません。ただどの様なことが起こっても、当然のことながら企業はそれに対応して行かなければなりません。ここからは、企業が想定しておくべき不測の事態とそれらがもたらすリスクについて考えていきます。

自然災害から生じるリスク

米国の自然災害で良く見受けらるケースとしては、東海岸や南部を襲うハリケーン、西海岸をで見受けられる地震や火災等、一度発生すると重大な被害を与える可能性があるものばかりです。また日本では、地震や津波、豪雨による浸水、火災等などが、場所を変えて毎年頻繁に発生しています。それらの自然災害は社会インフラを一時的に止めてしまい、『ヒト・モノ・カネ』といういった経済の動きに大きな影響を及ぼします。2012年にNYを襲ったハリケーン「サンディ」では、地下変電施設の浸水や送電線の倒壊で停電が発生。続いて浸水地域において大規模火災が発生し、地下鉄やバスといった交通網の運行が滞り、約10日間程社会生活が停止する被害をもたらしました。この様に自然災害から発生する急激な変化に対しても、あなたなの会社では、被害からの回復措置や被害を最小限に抑えるための予防措置を講じていますか?

感染症から生じるリスク

世界的なパンデミックが起こり、多くの企業がリモートワークを実施せざる得ない状況に陥りました。その様な状況下、通常通り業務を継続するため、従業員の情報共有の方法も新たなスタイルが必要とされています。また職場での業務が再開出来た場合、一部の従業員が感染した場合でも業務を継続する対応策や、職場でのクラスター感染を防ぐ防止策として、企業は施策を用意していないといけない状況におかれています。この様な状況下、業務の生産性や効率をキープするために、あなたの会社ではどの様な施策を用意されているでしょうか?

外部からのサイバー攻撃や情報漏洩から生じるリスク

世界的に大きな問題となっているのは感染症によるパンデミックだけではありません。不特定多数に無差別攻撃するサイバーアタックや、明らかに悪意を持って行うサイバー攻撃も多数発生しており、多くの企業を悩ませています。2018年に戦略国際問題研究所(CSIS)が公表した情報では、サイバー犯罪が1年間に世界経済にもたらす損失は6000億ドル(約64兆円)にも及ぶものと言われています。その手口は、不正アクセス、なりすまし、盗み見・盗聴、PCウイルスというものが主になりますが、中でも明確に悪意のあるサイバー攻撃による情報漏えいは大きな被害を及ぼすため、十分な対策を講じる必要があります。日々進化するサイバー犯罪の手口ですが、あなたの会社ではどの様な対策を用意されているでしょうか?

不測の事態で頼りになるクラウド

ここまでは不測の事態を及ぼすリスクについて見てきましたが、ここからは、これらへの対応策として、最新IT技術の代表例としてクラウドシステムを活用した対応策を見ていきたいと思います。

いつでも、どこでも働ける環境の提供

クラウドシステムは、インターネットに繋がれば、場所を選ばずに働けることが大きな利点です。例えば、自宅、ホテル、カフェ等で仕事を行い、業務を継続することが可能になります。

またWeb会議システムやビジネスチャットを用いて、離れた場所でもコミュニケーションを取ることが出来ます。そのためPCを使って完結できる仕事であれば、場所を選ばずに、事業を継続出来る様になります。しかしながら、上記の挙げた場所は、自社オフィスの様にセキュリティ対策が十分で無い場合もあり、コンピュータウイルスへの感染や、情報漏洩の恐れもあり、PC上のセキュリティソフトの装備やサーバとの通信手段もVPN経由でセキュリティを高める等に対策が重要となります。

いつもでもアクセスが可能

地震、ハリケーン/台風、豪雨といった自然災害や、火災・水害等で自社設備にアクセスが出来なくなる場合、業務に必要なサーバーやデータが社内で運用する場合は、破損や水没により貴重なデータを失う可能性があります。また電力供給が断たれた場合も、サーバの機器自体が無事だとしても業務が中断する可能性があり、事業継続が出来なくなる可能性があります。

それに対し、クラウドシステムを利用する場合は、災害対策・電源供給が整ったデータセンターからサービスが提供されるため、不測の事態でも、インターネットへのアクセスさえ確保出来れば、通常と同様に業務が継続することが可能であり、データが失われる不安から解消されます。特にMicrosoftが提供するクラウドサービスであれば、世界140ケ国58ケ所のデータセンターでホストされており、広範囲で大規模な災害が発生した場合でも事業継続とデータ保持に関する不安を解消してくれます

データ保護とセキュリティ

クラウド環境を利用することは、社外に自社データを置くことでもあることから「情報漏洩の可能性」や、また管理自体を社外リソースに頼ることから「事業者の管理体制や事業継続性への不安」をもたらし、以前はクラウドの利用に躊躇する企業・経営者様がおられました。

しかしクラウド事業者が提供するサービスが、様々な第三者機関が定める情報保護法の基準を満たす様に、昨今社内で運用するオンプレミス環境のIT管理より信頼性が高く、むしろ安全と考えらる様になってきています。また災害対策や非常時の電源供給の観点でも、データは厳重に管理され守らており、以前の様な不安が払拭されています。

どんなサービスが使えるのか?

現在マーケットで提供されているクラウドサービスは数えきれない程たくさん存在しています。そんな中、どのサービスを利用するか、選定するだけでも容易ではありません。

カルソフトシステムズでは、その選定プロセスのお手伝いもしていますが、ここではビジネスで良く使われる代表的なクラウドサービスを取り上げ、その利点を説明していきます。

社内情報共有・コミュニケーション

ここ数年クラウド技術の進歩で「社内情報共有」や「コミュニケーション」の分野では、様々なツールが登場しています。従来の情報共有・コミュニケーションとしては、ファイルサーバ、ファイル転送システム、Email、テキストメッセージ、電話、ビデオ会議、イントラネット等がありますが、これらがクラウド技術の進歩により相互に繋がり、より利便性を高めるサービス『ユニファイドコミュニケーション』として提供されています。具体的には、PCのみならず電話、FAX、スマートフォン、タブレットデバイスが垣根を越え、音声、映像、テキストを交換するサービスです。代表的なツールとしては以下の様なものがあげられます。

  • Microsoft: Microsoft 365 (旧マイクロソフトオフィス365)
  • Google: G Suite
  • Cisco: Cisco Jabber
  • LogMeIn: GoToConnect
  • RingCentral: RingCentral Office

どれもGartner社のMagic Quadrant 2019で高い評価を得ているソリューションですが、Email (Exchange)、ファイル共有(SharePoint)、クラウドストレージ(OneDrive)、グループウェア (Teams)、アプリケーション(Excel、Word, Outlook等)を統合するMicrosoft 365は日々の業務を包括的に支えるツールとして生産性が高く、また同時にコストパフォーマンスも長けています。

業務アプリケーション

基幹業務システムとして使われるERPやCRMも、現在クラウド環境で利用出来るサービスが多く提供されています。代表的なプロバイダーとしては、SAP、Oracle、Microsoft、Infor、Sage等、大手のソリューションプロバイダーからクラウドシステムが提供されていますが、そのなかでも、Microsoftが提供するDynamics 365はERPとCRMが併せて利用出来るクラウドシステムとして、世界中で注目を浴びています。

規模としては、利用ユーザ最小1名からスタートすることも出来、中小の成長企業から、システムユーザ数百~千名程度の大企業まで、世界各国のローカライゼーション機能をサポートし、様々なニーズに対応することが可能なシステムです。Dynamics 365 では、以下の業務に対応する機能を用意しています。

  • Dynamics 365 Sales
  • Dynamics 365 Customer Service
  • Dynamics 365 Field Service
  • Dynamics 365 Human Resource
  • Dynamics 365 Finance
  • Dynamics 365 Supply Chain Management
  • Dynamics 365 Marketing
  • Dynamics 365 Business Central

業務アプリ拡張機能

また企業内の分断したデータを統合し、迅速に分析・共有するためのツールとして、昨今あまり多くの開発作業を必要としないローコーディングアプリケーションへの注目が高くなってきています。絶え間なく変化するビジネスにおいて統合的なビジネスアプリケーションへの需要は広がりを見せる一方、IT人材不足やレガシーシステム等が足かせになっており、ビジネスアプリケーションは需要に追い付けておらず、それらがビジネスの成長を阻むケースが多々見受けられます。これらのニーズに対応するため、多くの企業からクラウド環境を通じてローコード開発プラットフォームを提供しており、その代表格としてMicrosoft社のPower Platformが注目を浴びています。これらはITに深い経験を持たないユーザの方でも、様々な便利ツールやテンプレートが用意されており、Dynamics 365との連携や自動化も行えるものが用意されており、多くの方にご利用頂けるものとなっています。

  • Microsoft Power BI
  • Microsoft Power Apps
  • Microsoft Power Automate
  • Microsoft Power Virtual Agents

CALSOFTはCOVID-19に立ち向かう皆様をサポートします!

CALSOFTでは今回ご紹介させて頂いたIT環境の整備やクラウドツールの導入に留まらず、業務の改善・ビジネスの成長にお役に立てる様にサポートをさせて頂いております。また 、業務改善に向けた「コンサルティングサービス」もお客様のご要望にあわせてお届けしておりますので、お気軽にご相談頂けたらと存じます。

不測の事態はいつ起きるか分かりません。想定外のことが起きたとしても、事業継続に問題を来さぬ様、また業績や雇用への悪影響を最低限に抑えるためにも、この機会にご検討頂けたらと存じます。

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